Div.2に昇格するための非常に大切な開幕戦は雨のヨドコウ桜スタジアム(大阪)で行われた。
最高気温は7度と非常に寒い中、選手の気迫のこもった顔が今日の試合への気持ちをのぞかせる。

開幕戦の相手は九州電力キューデンヴォルテクス（以降、九州KV）、練習試合ではＮＴＴドコモレッドハリケーンズ大阪（以降、RH大阪）は僅差で敗北しており開幕戦からRH大阪は大きな試練に立ち向かうこととなった。

試合は九州KVのキックオフでスタート。
九州KVは深くボールを蹴りこみRH大阪の陣地へ入り込んでくるがRH大阪は冷静に対処し、センターライン付近での攻防が続く。

九州KVのペナルティから敵陣22m付近でRH大阪のラインアウトとなる。ラインアウトから金（勇）選手がトライラインまであと5mと迫る力強いアタックを見せる。トライは奪えなかったがRH大阪のアタックに九州KVはペナルティを起こす。
このペナルティをPGを選択し川向選手がゴールを決め前半開始11分、3-0とRH大阪の先制スコアとなった。

このまま波に乗りたいRH大阪だが九州KVの激しいアタックにあわやトライ目前まで迫られてしまう、RH大阪のペナルティでトライライン5mでラインアウトとなってしまうが、相手が補給ミスをしそれを獲得したRH大阪は何とか脱出、相手チームのミスに助けられる冷や汗のかく展開となる。

拮抗状態が続くが前半31分自陣深く迄攻め込んできた九州KVの圧力にRH大阪はペナルティを犯してしまう。
このペナルティを九州KVはPGを選択しスコアを3-3と振り出しに戻されてしまう。

嫌な流れになるかと思ったが、前半37分RH大阪はペナルティから敵陣22mでライウンアウトを獲得する。落ち着いたセットプレーからＦＷの力強い前進を見せ、相手選手がＦＷに釘付けになったのを吉澤選手が見逃さず逆サイドにアタックし中央を切り裂くランで突破しそのままトライ。
川向選手がキックを決めスコアは10-3となり苦しい時間に一番欲しいトライをもぎ取った。

その後スコアは動かず前半は終了。

後半はRH大阪のキックオフでスタートし安定した立ち上がりを見せたと思いきや、RH大阪は敵陣でノックオンをしてしまいそのボールを自陣5mラインに出されてしまう。50-22で相手ボールのラインアウトとなり後半開始わずか2分でモールからトライをゆるしてしまう。
九州KVのキックは失敗し10-8となり後半開始早々から厳しい展開となってしまう。

拮抗した状態が続くが、後半16分ラインアウトからRH大阪の攻撃でフェナー選手が相手を引きずりながらラインブレイクをする。突破したことで空いた外のスペースにボールをすぐに回し小林選手が相手選手をひきつけ、サポートに走っていた2番の島田選手がトライを決める。
キックは失敗してしまうがスコアは15-8となった。

喜びもつかの間、激しい九州KVのアタックを受けてしまいRH大阪は自陣でペナルティをしてしまう。九州KVはPGを選択し後半19分にスコアは15-11となる。
ワントライで逆転されてしまう状態となり厳しい展開が続く。

その後長い10分以上スコアが動かない緊張感のある展開が繰り広げられる。

試合が動いたのは後半36分、九州KVから高いハイボールを上げられこれをRH大阪がうまく処理できずペナルティを犯してしまう。
九州KVはラインアウトを選択、RH大阪は自陣5mのラインアウトを押し込まれてしまい後半36分に逆転トライをゆるしてしまう。
九州KVのキックは成功しスコアは15-18となる。

フルタイムまで残り5分と窮地に立たされてしまったRH大阪。
最後まであきらめないRH大阪はボールを再獲得しセンターライン付近から果敢にトライを目指し、じりじりと敵陣深くまで攻撃を重ねていく。ラストワンプレーでペナルティを獲得したRH大阪はPGを狙えば安全に同点というところ、ラインアウトを選択しトライを狙う。
九州KVがラストワンプレーでライウンアウトから外へのパスがないと予測したのかスペースの空いていた小村選手に金（勇）選手からキックパス。これに反応した小村選手がボールを獲得し見事再逆転のトライを奪う。
川向選手のキックも成功しスコア22-18、RH大阪は厳しい戦いを制し開幕戦を勝利で飾った。

雨の非常に寒い中の厳しい展開での試合だったが、開幕戦を勝利できたのは非常に大きい。
修正する課題点は多く出たが、次の試合までに修正しより強いRH大阪を見ることができることを期待したい。