試合レポート
試合結果・日程試合レポート
TL2021第6節ヤマハ発動機ジュビロ(以下、ヤマハ)との試合が万博記念競技場(大阪府)で行われた。前節の日野レッドドルフィンズ戦との天候とは打って変わって、初夏を感じさせる少し汗ばむ陽気の中で試合が開催された。リーグ戦も終盤にさしかかり、この試合に勝利してホワイトカンファレンス上位順位を確定させたいところである。
前半は風上のレッドハリケーンズボールのキックオフで試合が開始された。
この試合、ヤマハの強みであるセットプレーとフィジカルに対してレッドハリケーンズがその部分でどれだけファイトできるかが勝利への鍵となった。開始早々、今シーズンFBで初先発の⑮マピンピを中心にボールを大きく動かすアタックでフェーズを重ねてヤマハ陣内へ攻め込んでいく。しかし、敵陣22m内まで攻め込んだところでノットリリースのペナルティを取られてチャンスを潰してしまう。そのペナルティからキックで陣地を大きく挽回されると、前半5分ヤマハボールラインアウトから連続攻撃を仕掛けられて、ゴール左隅に先制トライを許してしまう。
(0-7)
先制トライを許した直後、今日の試合で急遽リザーブメンバーからスターティングメンバーへ変わった⑭スルンガの切れ味鋭いランで、ゲインラインを越えるもここも簡単なパスミスでボールが上手く繋がらない。ミスで流れに乗れないレッドハリケーンズに対してヤマハは強力なランナーを使ってシンプルに攻め込んでくる。すると前半12分、レッドハリケーンズのディフェンスが前のめりになったところをバックスラインの背後に上手くボールを転がされヤマハのWTBにボールを拾われゴール右隅にトライを許してしまう。
(0-12)
この日のレッドハリケーンズは何か歯車が噛み合わない。2本目のトライを許した直後のキックオフリターンボールでも、ヤマハのワイドに展開するアタックに対してディフェンスが後手後手となってしまう。するとディフェンスラインにできたギャップを突かれて大きくゲインを許し、そのままヤマハBK陣にボールを繋がれてノーホイッスルの3連続トライを許してしまう。
(0-19)
試合開始15分で連続して3トライを奪われ、昨シーズン大敗した嫌な光景が蘇る。しかし今シーズンのレッドハリケーンズは、これまで積み重ねてきた勝ち星と経験から徐々に自分達で自信を取り戻していく。一人一人がヤマハの強いフィジカルに対して真向から立ち向かい前進する。
すると前半20分、敵陣で獲得したペナルティからゴール前ラインアウトを選択すると、そのラインアウトをクリーンキャッチしドライビングモールを押し込む。ヤマハのディフェンスでモールが一度はばらけるも最後尾でボールを持っていた③北島が力強くキャリーしゴール左中間へ飛び込んで待望の初トライが生まれる。
(7-19)
前半のうちに何とか得点差を縮めたいレッドハリケーンズだが、簡単にはヤマハの強力ディフェンスを崩すことができず得点を奪えない。するとディフェンスでのペナルティが重なり、徐々に自陣深くまで攻め込まれてしまう。前半37分、自陣22m内のヤマハボールラインアウトからモールを押し込まれ一度は押し返すも最後はブレイクダウン周辺を潜り込まれて右中間にトライを奪われて前半を大きくリードされ折り返す。
(7-26)
後半の立ち上がりも前半同様にキックを使わず、自陣から積極的にボールを繋いで攻め込むレッドハリケーンズ。しかし得点を奪う最後のフィニッシュまでなかなか持っていくことができない。
すると後半5分、勝利への鍵となるスクラムでこの日3つ目のペナルティを犯してしまう。このペナルティから自陣深くのヤマハボールラインアウトとなり、力強いランナーにボールを繋がれ左サイドにオーバーラップを作られてしまう。このオーバーラップの状況に⑮マピンピのディフェンスが故意のノックオンと判定されペナルティトライとなってしまう。そのうえマピンピにイエローカードが出され10分間のシンビンとなる。
(7-33)
10分間14人で戦わなければいけなくなったレッドハリケーンズはボールをキープして敵陣へ攻め込んでいく。すると、後半8分敵陣22m付近のラックから出たボールを⑨ペレナラが横に仕掛けると、後ろからアングルを変えて走り込んだきた⑫トゥアへ繋ぎ一気にブレイクしてそのままゴールポスト下へ飛び込んでトライが生まれる。
(14-33)
これで勢いがでてきたレッドハリケーンズは、トライ後のキックオフリターンボールからまたしても⑫トゥアが力強いランで前進してラックを形成する。そのラックのサポートに入っていたキャプテンの⑤エラスマスがボールを持ち出し大きくゲインすると、ディフェンスの裏へショートパントを転がしヤマハの選手がキック処理をもたつく間に再びエラスマスがボールを拾い上げそのままゴールポスト下へ連続トライを奪う。
(21-33)
14人と一人少ない時間帯で2トライを返したレッドハリケーンズは、その後もキックを使わず徹底してボールを繋いでヤマハ陣内で攻め込んでいく。しかし、後半の20分間はヤマハの我慢強いディフェンスを崩す事ができず得点することができない。次第に前半からハードに動き回っていた選手達にも疲労が見え始め足が止まってしまう。そして、最後は攻撃のサポートが遅れたところをヤマハの選手にジャッカルされペナルティをとられてグラウンドの外に蹴りだされノーサイドの笛がなる。
これで6節を終えてホワイトカンファレンスを4勝2敗と暫定3位をキープする。次節のリーグ戦最終節は王者神戸製鋼コベルコスティーラーズとの戦いとなる。昨シーズンの悔しい大敗から進化したレッドハリケーンズがどれだけ王者に挑めるかこの一週間、チーム一丸でいい準備を進めたい。
ヨハン アッカーマン HC
試合にお越しいただいたファンのみなさま応援ありがとうございました。
ヤマハ発動機ジュビロさん、勝利おめでとうございます。前半は積極的にボールをよく動かしましたが、ヤマハさんのコンタクトにドミネートされたことが敗戦した理由です。しかし、後半の選手達の働きぶりは本当に誇らしくハードに戦ってくれました。後半だけを見ると、試合に勝利できたのではないかと思います。ペナルティを多くとられましたが、今後自分達で改善できる部分は改善していきたいと思います。次節も応援よろしくお願いします。
ローレンス エラスマス 選手
いつもレッドハリケーンズへの応援ありがとうございます。
今日対戦したヤマハ発動機ジュビロさんは本当に素晴らしいチームでした。今日はタフな試合で、前半の入りがスロースタートとなってしまった事が厳しい試合展開になった原因です。この学びを活かして、今後の試合では同じことを繰り返さずに戦っていきたいと思います。引き続き、レッドハリケーンズの応援よろしくお願いします。
茂野 洸気 選手
いつも応援ありがとうございます!
今日の試合は勝利すればホワイトカンファレンス3位以上が確定する重要な試合でした。前半はミスや反則を繰り返してしまい、相手にペースを渡し大きなリードを与えてしまいました。後半に入り自分達のラグビーができている時間帯が増えましたが追い上げが届かず敗戦となってしまいました。リーグ戦も残すは1試合。昨年大敗した神戸製鋼に全力でチャレンジし、応援してくださる皆様と喜び合えるよう1週間しっかり準備したいと思います!