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NTTドコモシンボルチーム・選手INTERVIEW

NTTドコモには、ご存じレッドハリケーンズを含め、多くのスポーツ選手が活躍しています。

今回、リオデジャネイロ2016パラリンピック 競泳50m自由形(S9クラス)で銅メダルを獲得した山田拓朗選手を交え、同じドコモのシンボルチームとして、またトップアスリートとしての思い、活動について対談を行いました。

現在一生懸命何かに打ち込んでいる人、ぼんやり何かを始めなきゃと思っている人、岐路に立って悩んでいる人、いろんな方にとって何かヒントになること、感じることがあるのではないかと思います。
ぜひ最後までお楽しみください。

競技を始めたきっかけはちょっとしたこと。気が付けばずっとやっていた。

早速、三人にお伺いしたいのですが、それぞれ水泳とラグビーを始めたきっかけを、お話しいただけますか。

山田
僕が水泳を始めたのは3歳からです。自分では覚えていないんですが、もともとはすごく水が苦手で、シャワーの水が顔にかかった程度で大泣きしたそうで、それだと困るだろうというので、近くのスイミングスクールに通ったのがきっかけです。
渡辺
別に誰から誘われるとかじゃなく、親の?
山田
そうですね。
山田選手(5歳頃)スイミングスクールにて
佐藤
親に勧められて始めるのは一番多いパターンでしょうね。ラグビーもそうです。僕は高校からでした。
父親が経験者で、「ラグビーはいいぞ」と小さい頃から聞いていたんですが、反抗期なんで「絶対やらねえ」と思って中学まではサッカーをやってたんです。
ところが入った高校ではラグビー部の雰囲気がすごく良くて、仮入部に行って、そのまま本入部しちゃった感じです。
佐藤選手(左:高校3年生 ラグビー合宿舎にて)(右:大学4回生)
渡辺
僕は地元の幼なじみに誘われて、小学1年から始めました。当時、僕らの年代ではソフトボールが流行っていたんですが、年齢制限があって入れませんでした。だったらすぐに入れるラグビーをやろうと思ってラグビーを始めたら、そのままここまで来ているという感じです。
渡辺選手 (左:小学校4年生頃 右上:高校3年生 花園出場
右下:大学2年生 早稲田との招待試合)

社会人になっても本格的に競技を続けようと思った理由はなんですか?

渡辺
年代、年代で大きな大会に出てきましたが、ずっと勝てなかったので、次の年代では優勝できるようにと思って、ずっと続けてきたら今に至りました。前回のトップリーグ昇格で勝ったのが、人生で初めての優勝でしたね。
佐藤
僕は高校の部が弱くて、もっとレベルの高い所でやりたくて大学へ行って、じゃあ、もっと上のレベルでもやりたい、というチャレンジ精神をモチベーションにして、ここまできたという感じです。

山田選手も同じでしょうか。水泳を3歳から続けているというのはかなり長いですが、高校も、大学も、社会人と続けてきたモチベーションとはどんな感じですか。

山田
パラリンピックを終えると、また次の大会にもっといい成績を残したいって思いますし、これだけ長い時間を水泳に費やしていると、犠牲にするものもあります。そんな中でやっているので、もし止めてしまったら、それまでの時間が無駄になる、もったいないという感じですか。それでやっている感じです。
渡辺
少なからず犠牲にしているものはありますよね。例えば、友達と遊ぶ時間とか、勉強とか。何かしらの捨ててしまったものがある中で成り立っているものだと僕は思うので、今、山田選手が言ったことには、すごく共感できる部分はあります。
リオ2016パラリンピック スタートの瞬間

苦しい経験は立ちはだかる壁じゃない。チャレンジ精神を生み出すタイミングだ。

競技を続けていてどこかで壁にぶつかる、しんどい、もうやめたいということはありましたか。それはどんな時で、どう克服できたかを教えていただけますか。

山田
水泳は記録を競う競技なので、自己ベストを目指します。けれども自己ベストはそんなに簡単に出るもんじゃないんです。僕も今回、リオで自己ベストを更新しましたけれども、4年ぶりです。
4年間は全く成長していないということはないんですが、自己ベストは出ていないという中で、特に水泳は練習中に景色も変わらないし、音も聞こえないし、すごく地味なんです。
息も止めていますし、地味でつらい練習が続くので結果が出ないと、やっぱりしんどいなというのはありますけど、自分の中で「まだ速くなれそうな気がする」という感覚がある間は、挑戦を続けたい気持ちです。
もうこれ以上は無理だと思ったら、すっぱりやめます。

行き詰りを感じたとしても“上に上がりたい、伸びたい”という気持ちが支えているんですね。

山田
そうですね。ぶち当たっても、まだいけそうな気がするという感覚があれば。
佐藤
僕も同じで、「自分はまだまだ成長できる」というのが根底にあるので、ずっと続けたいと思っています。壁に当たるというのはあんまりないんですけれども、最近は長引く怪我が多くて、手術をしてもうまくいかなくて再手術になったり、心ではもっとやれるのに、体がついてこない。
怪我をしていて思うように動けないときは辛くて、なんでこんな思いをしてスポーツやらなきゃいけないんだと考えることはありました。最近ようやく脱しつつあります。

山田選手も怪我などで、「やりたいのに体が動かない」といった苦しい経験はありましたか。

山田
僕はもともと北京2008パラリンピックを目標にしていたんですが、その直前の中学3年から高校1年にかけて、初めて肩の故障をして腕が上がらなくなったんです。水泳は腕を回すので、上がらなくなると泳げないんです。その間は体力維持のために走ったりとかしてました。少し回復しても無理をすると再発してしまうので。
試合の日程は決まっていて、どんどん時間がなくなってくる中で焦りはありましたが、バランスを見ながらじっくり準備するしかなかったです。

渡辺選手はどうですか。

渡辺
壁にぶち当たるというのは、個人だったり、チームだったりで多々あると思います。しかし、お二人も言っているように、越えられなかったらそのまま脱落していきますし、今までもそういうのを見てきた中で、「脱線しない」と言うと奇妙ですが、「自分はそれを乗り越えられる」と思う力で、何とかここまできたという感じです。
振り返ったらここまできたという感じかな。乗り越えたとは思わない。
山田
そうですね。
渡辺
多分、ある時ふと振り返ったら「いろいろあったな」と思うんでしょう。

個人スポーツと団体スポーツの違い

水泳は個人競技でラグビーは団体競技ですが、同じアスリートでも団体と個人でどのような違いがありますか?

山田
個人競技の場合、良くも悪くも全て自分に責任があるので、仮に良くなかったとしても誰のせいでもなく、自分のせいなので、一生懸命やっていれば(結果に)納得はします。
団体だと、勝負のときに結構不安な気持ちになったりするんですが、それでも仲間がいるという意識とか、それを共有する人たちがいるというのは、良くも悪くも個人競技とは少し感覚が違うと思います。
水泳のリレー競技では4人で泳ぎますが、リレー種目でメダルを取るのと個人でメダルを取るのでは、またちょっと喜びも違うという話はよく聞くので、団体で特にうまくいったときは、喜びもより大きくなるのかなという印象はあります。
佐藤
そうですね。団体でやると気持ちはすごく強いと思います。
厳しい練習をこなす中、味方が一緒に頑張っている姿を見ると、本当にもうひと頑張りできるんです。
過去を振り返ってみても、「仲間がいなかったらここまでは来られなかった」と思うことが多々あるんで、そういう面で個人種目は突き詰めているし、自分との戦いだし、すごいと思います。
山田
水泳は個人競技ですが、練習はチームで行うこともありますし、僕も大学の4年間は大学の体育会水泳部にいたので、同級生も先輩も後輩もいます。
辛い練習を乗り越えるのにみんなが頑張っている姿を見たり、互いに声を掛け合ったりというところで、もう一踏ん張りできるのかなと思いますね。
社会人になってからは一人で、コーチとかと少ないスタッフで練習するようになりましたが、それにはメリット、デメリットがありました。チーム練習では自分の好きなようにスケジュールを組めませんし、メニューも全体が必要としているものになります。個人では自分の苦手なところを重点的にやれたり、そういう部分での自由はありますね。
ただ個人だと、きつい練習を乗り越える時も全部、自分で自分を鼓舞してやらないといけないので、性格的に合うか、合わないかというのはあると思います。
渡辺
僕は個人的に、個人競技の方がメンタルは強いと思います。
山田
そうですか。
渡辺
甘えが出てくるときに、その甘えに打ち勝つ気持ちは、どうしても個人との戦いになる。
そういう部分でいうと、語弊があるかもしれないけれども、例えば団体競技は少しサボったとしても他がカバーしてくれる可能性が高い。そんなこと絶対にやったらあかんけれども。
だから、水泳でこうやって極めるというか、そこまでいっているというのは、僕はすごいなと思います。

性格的な向き不向きという話がでましたが、佐藤選手や渡辺選手は自身が団体競技向きだと思いますか?

渡辺
僕も昔、小さいときに大好きだった水泳を耳の病気でやめたんです。
以来ずっと団体競技なので、団体競技でしか苦しいこと、楽しかったことは経験していないですが、僕は少し自分に甘いところがあるので、絶対に団体競技のほうが向いていると思います。
佐藤
僕も、自分は団体競技のほうが向いていると思います。さっきも言いましたが、苦しい時には「これぐらいでいいかな」と思うことがあるんです。でも、味方が頑張っているから、ライバルが頑張っているから、自分も頑張れる。そういう積み重ねでここまで来られたので。

では、今までラグビーをずっと続けてきて、ラグビーを通じて一番良かったと思えることは何ですか。

佐藤
人とのつながりです。壁を一緒に乗り越える、例えば一緒に試合で頑張って勝った時や達成感は、1人よりも味方全員で味わった方がひとしおですし、一緒に乗り越えてきたことで絆が生まれる。
普段の生活の中では培えないような友情とか、仲間の意識とか、そういうのを得られたと思うので、それが一番かなと思います。
渡辺
全世界というわけじゃないですが、世界中に外国の友達がすごく増えました。海外に行くきっかけができたり、日本の外に目を向けられるようになったり、ラグビーを通じて、たくさん外国の友達ができたりというのは大きいと思います。

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渡辺
そうです。向こうで現地の友達もできたし、行きたいと思わせてくれたのも、今までドコモに来てくれた外国人選手とのコミュニケーションがあったからなので、そういうところはすごく大きいと思います。

山田選手は水泳をやってきて一番良かったと思える点はどんなことですか?

山田
他からの刺激も、人も、環境もそうですね。僕もプライベートで海外に行ったことはないんです。全部遠征なんですが、海外に行く機会は増えました。試合の特別な緊張感、ぞくぞくする感じは、水泳に限らず、スポーツをやっている方が感じる特別な感覚だと思いますが、普通の日常生活では味わうことがない。
渡辺
緊張で吐きそうにならへん?
山田
たまに。(笑)
渡辺
僕は吐きそうになるし、胃が痛くなるというか、試合の前はこれが早く終わったらええのにと思います。
佐藤
始まるまですごく緊張するんで、早く始まってくれないかなと思いますね。競技中は何も感じないというわけじゃないですけど、気にならなくなる。

勝利で終えたら、すごく高揚感がある感じですか?

佐藤
はい。むちゃくちゃ達成感というか、怪我をせずに終わったと。
渡辺
そう、それは大きい。

山田選手も、スタートまでは緊張するけれども、泳ぎだしたら無になる感じですか。

山田
特別な舞台では、どれだけいい準備に時間を費やしていても、それでも足りないような感覚になったりしますし、練習やレース前の集中している状態だと、どれだけ周りの選手が騒いでいても、観客が騒いでいても、ほぼ無音の感覚です。
本当に集中しているときは、周りの音もあんまり気にならない、レース中の事はあんまり覚えていないです。それは自分がいい状態にあるという感覚です。

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