レッドハリケーンズ

[選手インタビュー]才口 將太

インタビュー第二弾、副キャプテン才口將太。「小さいころはずっと2歳上の兄を目指していました。」そんな才口が、今は自分のがんばる背中を見て仲間が刺激を受けてくれればと語る。話をしていると、真面目な性格の中に垣間見せる別の一面に強く惹きつけられてやまない。

愛称について

― 才口選手は普段何て呼ばれてる?

「さいちゃん」が一番多いです。他には、「しょーた」って呼ぶ人も多いです。

― 「さいちゃん」の由来は? いつから呼ばれてるの?

多分、幼稚園から。なんでそう呼ばれるようになったのかは分かんないですけど。

― ずーっと「さいちゃん」なんだね。

そうですね。

― じゃあ、ファンの皆さんも「さいちゃん」でOK?

「さいちゃん」と呼んでもらえたらうれしいです。

インタビュー風景

ラグビーを始めたきっかけ

― ラグビーを始めたきっかけは?

僕が3歳の時に兄が友達の誘いでラグビーを始めることになりまして、家に1人で留守番させられないから、親に一緒に連れていかれて。僕は見学のつもりやったんですけど、コーチに無理やり入れられました。

― ええっ。

記憶はほとんどないですけど、ラグビーをやるつもりなかったんで、ずっと泣きながらやってた記憶があります。

― どこのラグビースクールに入ってたの?

地元のラグビースクールなんですが、甲子園チビッ子ラガーズっていう、武庫川の河川敷で練習してるスクールです。もう数年行けてないですけど、最近近くに引っ越したので、今度顔出したいなと思ってます。

― さいちゃん以外で同じラグビースクール出身の有名な選手は?

現ヤマハの曽我部佳憲さんは、兄貴と同い年で、小学校までは同じスクールでした。

― さいちゃんは中学校時代どこでラグビーしてたの?

ラグビースクールが中学まであるので、ラグビースクールです。

― じゃあ、中学は、学校の部活じゃなくて、スクールにずっと行ってた?

スクールは日曜日だけなんです。学校では、陸上部に入って円盤投げやってました。

― 短距離とかじゃなくて、なぜ円盤投げだったの?

なんでですかね。(笑)最初は短距離やってたんですけど、平日の練習でちょっと走るだけじゃ楽しくないなって思って。もともと円盤投げはなかったですけど、先生に用具を買ってもらって、ずっと投げてました。特に自信があったってわけじゃないですけど、楽しそうな感じがしたので。

― テレビで見てとか、先輩がやってたとかではなく?

じゃないですね。クルクル回って放るのが楽しそうやったから(笑)。

― 円盤投げは、それなりに成績はよかった?

日曜にどうしてもスクールの練習があるので、大会に出たことは1回しかないです。その大会も、一応は予選通過して決勝まで残ったんですけど、試合に出たことがないので要領が分かんなくて、予選終わってちょっとお腹すいたのでコンビニに買い物行ってたら、その間に決勝が終わってて。(笑)
市大会でしたから、「決勝進出」っていう成績は残ってるんですけど。不戦敗です。

― 不戦敗、なるほどね。コンビニ行っててね(笑)。

いい思い出です(笑)。

― でも、おっちょこちょいにも程があるよね。

そうなんです(笑)。

― 高校は大分に行ったけど、なぜ関西から大分に?

そうですね、理由はいくつかありますけど、一番は黒いジャージ。大分舞鶴(高校)って全身黒のジャージなんですが、それを着て花園に出たいと思いました。環境も良くて、中学3年の時に見学に行ったら、天然芝の専用グラウンドがある高校だった。

― ええっ、その時から天然芝の専用グラウンドがあったの?

はい。地元のラグビースクールなんて横幅が20メートルぐらいしかなくて、ボールがちょっとそれたら川に落ちて、それを拾いに行くようなところで練習してたので、高校のグラウンドを見た時にすごい衝撃を受けました。

― でも、大分ってずいぶん遠くだよね。大分舞鶴を知るきっかけは?

大分舞鶴に入学したラグビースクールの先輩に、「一回練習見に来てみないか」と声を掛けてもらったのがきっかけ。父親の実家が鹿児島で、親戚も大分に何人かいたことも進学を決めた理由の一つ。

―  その後、同志社大学に進学したけど理由は?

そうですね。大分に引っ越した初日にホームシックになってしまって、実はすぐ関西に帰りたいと思って。高校1年の早い段階から同志社大学に行きたいっていうことを先生に言いました。

― 関西に戻りたいみたいな。

はい。あと、その頃、同志社大学が一番強い時期だったので、ラグビーするなら同志社でやりたいと、ずっと憧れがあって。それで目指していたら、運良く声を掛けていただきました。

インタビュー風景

レッドハリケーンズに入ったきっかけ

― 同志社大学を卒業後、ドコモに来るきっかけは?

僕が声を掛けてもらった大学4年の時は、ドコモはトップウエストリーグに所属してました。ドコモのリクルーターの方と何回かお会いし、チームも会社も本気でトップリーグ昇格を目標にしてると話を聞きました。自分がドコモをトップリーグに押し上げてやろうとか、そういうことは全く思わなかったですけど、会社としてトップリーグ昇格を目標にして、かつ、自分がそのチームの一員としてトップリーグに昇格する目標を達成できたら、人生の中ですごい幸せな経験になると思いました。その後、話を聞いているうちに、その目標は達成できるんじゃないかと感じ、ドコモでプレーすることを決めました。

― トップリーグに昇格し、実際にトップリーグでプレーした感想は?

ラグビーを始めた頃から、ずっとトップレベルで挑戦したいと思っていました。子供の頃はまだトップリーグもなかったけど、サッカーでいうJリーグみたいなところでやりたいと文集に書いてました。色々と大変なことも多いですけど、トップリーグでプレーできてやりがいを感じています。

インタビュー風景

仕事とラグビーの両立

― 仕事とラグビーの両立は、大変なこともあると思うけど?

練習がある日は、午前中だけ仕事をしている状況ですけど、合宿になると1週間まるまる練習とか、夏合宿は1カ月近く出勤しない状況になるので、いつも周りの人たちに支えてもらってるとすごく感じます。

― 今までの職場でも助けてくれる人は多かった?

そうですね、人には恵まれていると思います。

― 練習日の1日のスケジュールは?

午前中の仕事はルーティン的な業務が多いです。例えば郵便物を受け取って転送したりだとか細かい作業が中心です。その後、12時頃に昼ごはんを食べて、そのまま練習に行くような感じです。だいたい14時半から練習ですかね。練習が終わったらケアとかをして19時、20時ぐらいにグラウンドを出て帰る感じです。

バイスキャプテンから見たチーム

― バイスキャプテンの目から見て、チームがやるべきこと、自分自身がもっとこうしたいと思うことは?

抽象的な表現になっちゃうんですけど、今までのドコモは、ノッてれば強いけど、そうじゃなかったら本来の力が出せないことがあったと思います。その要因は色々あると思うけど、ノッてれば強いのであれば、常にノッてる状態で試合ができるような状況を作りたいと感じてます。練習から自分が常にベストパフォーマンスを出すことを心がけ、チームに良い雰囲気を作ることを考えてます。僕自身、声で引っ張るとか上手に話しができるタイプではないので、自分がどんなにしんどくても周りのみんなを盛り上げ、何事も常に100パーセントで取り組むことで周りの人がそれを見て何か感じてくれたらいいかなと思ってます。

― 言葉ではなく「俺の背中についてこい」的なタイプ。

何て言ったらいいですかね、難しいですね(笑)。「ついてこい」って言うと、なんか引っ張っていくぞ的な感じですが……。試合中に、「あ、才口走ってんな」とか「あいつ体張ってんな」と、思ってくれるだけでチームは気持ちの部分で変わってくると思うし、勢いが付くものだと思うので、そんな姿を見てほしいと思います。

― 起爆剤的な感じかな。「才口がこんだけやってるんだったら、俺もやらなあかん」みたいな?

そうですね。勢いを付けるきっかけですね。

― ほかに課題とかある?

やっぱり課題はディフェンスだと思います。昨年の大量失点する試合とかは、ディフェンスが原因で試合が崩れてしまったので、しっかりディフェンスができると強豪相手でも競ったゲームができるし、勝つこともできると感じてます。今はディフェンス練習をメインでやってますが、意識の部分が変わったら体もついてきていい流れになると思うので、今年はディフェンスをもっと強化していきたいですね。

インタビュー風景

ウイダージャパンセブンズ2013

― 5月にセブンズがあって、その時はキャプテンとして参加したけど、感想は?

僕はセブンズ自体、全然経験なかったです。今回は、準備期間が1週間ぐらいとすごく短くて、あまり時間はなかったんですけど、セブンズ経験者を中心に意見を出し合い、メンバーで話し合いを行いました。初戦のNECグリーンロケッツ戦は、流れをつかまれたまま、自分たちのアタックができずに敗れてしまいましたが、2戦目以降は、1戦目の課題も修正できてドコモらしいアタックができたと思います。決勝のコム戦はキック差で負けましたけど、大きな差を感じる試合ではなかった。今回、セブンズに参加したメンバーはすごくいい経験になったと思います。

ポジションについて

― 今はウイングだけど、ずっとバックスだった?

小学校低学年の時は、ぽっちゃりしてたので数カ月プロップをやってた記憶はありますが、あとはずっとバックスですね。

― バックスで他のポジションの経験は?

多分スタンドオフの経験が一番長いと思います。高校の時は、全ポジションをやってました。大学の時は、スタンドオフで出場しても、試合中熱くなりすぎてラックに入ることが多く、コーチに「その癖を直せ」と言われてたんですが、ずっと直らなくて、フルバックで出場することが多くなりました。

― やっぱりスタンドオフをやりたい?

特にどこのポジションがいいとかはないです。ポジションにこだわりはないのでどこでも同じ気持ちですね。よくよく考えてみたら、今までポジションを固定されたことがないです。

― フルバックだけの選手はあまり聞かないかも。

ミルズとかはフルバックだけですかね。

― ミルズは一時期、センターもやってたよね。日本の選手だと、スタンドオフとフルバックの組み合わせが多い気がする。

そうですね。プレースキックができると、その辺のポジションになりますね。

― ちなみに、あこがれの選手はいる?こんな選手を目指したいとか。

大人になってから目指す選手というのは特にないですね。小さい頃はずっと兄を目指してました。ポジションも同じだったから、2歳上の兄が憧れというか、目標のプレーヤーではあったんですけど、今は特に目指している選手はいないです。

― お兄さんは、さいちゃんのプレーに対して意見する?

全然言わないです。今でも仕事が休みの時には応援に来てくれます。

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